復帰摂理歴史の真実
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■ 第三部 第四章 
     c. なぜ正妻と妾の摂理となったのか(中)


1. 男から女によるカインとアベルの復帰摂理
 (1)  
  @ 系図から見た摂理解釈
    (@) ノアの10代とシラの13代とエベルの誕生
 13数はユダヤ教では聖数とされており、ヘブライ語で「愛」や「一つ」という意味がある。ちなみに、“「愛」(13)+ 「一つ」(13)=26” となるが、ヘブライ語で「26」はユダヤ教の唯一神としての「ヤハウェ(Yahweh)」は「愛の神」となる。“13+13=26” が「愛の神」となるのは、どういう意味を持っているのであろうか。文先生の御言を当てはめれば、“夜の神様(13)+昼の神様(13)=愛の唯一神(26)” と言える。

<参照>
 幻となった基元節(上)
 『13』という数字

 我々は前の項で、十数は帰一数であることと、成長期間はこの十数完成期間でもあるということを述べた。ゆえに、人間始祖はこの十数完成期間を、自分自身の責任分担遂行によって通過し、十数完成実体とならなければならなかったのである。しかし、彼らの堕落によりこれらのすべてのものは、サタンの侵入を受けたので、これらを蕩減復帰するための中心人物を探し立てて、神の側に再帰一させる十数完成実体の復帰摂理をなさるためには、その中心人物をして、十数を復帰する蕩減期間を立てさせなければならない。神はこのような十数復帰の蕩減期間を立たせるために、アダムから十代目にノアを召命なさり、復帰摂理の中心人物に立たせられたのである。(『原理講論』p450)

 13数の前に来るのが10数の帰一数であるが、10数は本来、“成長期間9数+1” の完成数を意味する。これが、人間の堕落によって10数は「神の側に再帰一する完成実体数」となった。この10数と13数から、復帰摂理としてのアダムの系図(右図)をみると、次のことが明確化される。
 アダムの堕落によるカインとアベルによる復帰摂理は、アベルがカインによって殺害され、3男のセツに復帰摂理が継承され、7代目のエノク(創世記5章22節〜24節)によって堕落した6数を超えた立場で、10代目のノアの時を迎えた
 7数は、成長期間の9数の間の7数となる。蘇生期の3数、長正期の3数、堕落した長正期完成級は6数となり、7数は完成期蘇生級を意味する。
 エノクはメトセラを生んだ後、三百年、神とともに歩み、男子と女子を生んだ。エノクの年は合わせて三百六十五歳であった。エノクは神とともに歩み、神が彼を取られたので、いなくなった。(創世記5章22節〜24節)

 セムにも子が生れた。セムはエベルのすべての子孫の先祖であって、ヤペテの兄であった。セムの子孫はエラム、アルパクサデ、ルデ、アラムであった。アラムの子孫はウヅ、ホル、ゲテル、マシであった。アルパクサデの子はシラ、シラの子はエベルである。エベルにはふたりの子が生れた。そのひとりの名をペレグといった。これは彼の代に地の民が分かれたからである。その弟の名をヨクタンといった。(創世記10章21節〜25節)

 ノアは、神の側に再帰一された最初の人物となる。神に象徴されるノアの長子セムは、神の側に立った最初の人間アダムを象徴し、セムの次子アルパクサデは、神に供え物を捧げた最初の人物となる次子アベルを象徴する。アルパクサデの子シラは、アダムから13代目となる。このシラを神が用いて、復帰摂理を担う血統としての長子エベルを誕生させた。エベルの子女には、長子のペレグと次子のヨクタンがいたが、長子ペレグによって父エベルの7代目となるアブラハムまでその立場を引き継ぐこととなる。

    (A) 神の啓示によるノアの箱舟摂理における鳩の意味
 そこで神はノアに言われた、「わたしは、すべての人を絶やそうと決心した。彼らは地を暴虐で満たしたから、わたしは彼らを地とともに滅ぼそう。あなたは、いとすぎの木で箱舟を作り、箱舟の中にへやを設け、アスファルトでそのうちそとを塗りなさい。その造り方は次のとおりである。すなわち箱舟の長さは三百キュビト、幅は五十キュビト、高さは三十キュビトとし、箱舟に屋根を造り、上へ一キュビトにそれを仕上げ、また箱舟の戸口をその横に設けて、一階と二階と三階のある箱舟を造りなさい。わたしは地の上に洪水を送って、命の息のある肉なるものを、みな天の下から滅ぼし去る。地にあるものは、みな死に絶えるであろう。ただし、わたしはあなたと契約を結ぼう。あなたは子らと、妻と、子らの妻たちと共に箱舟にはいりなさい。またすべての生き物、すべての肉なるものの中から、それぞれ二つずつを箱舟に入れて、あなたと共にその命を保たせなさい。それらは雄と雌とでなければならない。すなわち、鳥はその種類にしたがい獣はその種類にしたがい、また地のすべての這うものも、その種類にしたがって、それぞれ二つずつ、あなたのところに入れて、命を保たせなさい。また、すべての食物となるものをとって、あなたのところにたくわえ、あなたとこれらのものとの食物としなさい」。(創世記6章13節〜22節)

 ノアの箱舟の摂理において、最も重要なポイントは箱舟から三度放った “” である。神のノアに対する御言では、「その種類にしたがって、それぞれ二つずつ」となっている。ところが、雄鳩三羽が箱舟に入れていることになる。なぜ鳩だけなのかは、その習性が特別な意味を持っていると言わざるを得ない。
 鳩の習性として、帰巣本能完全一夫一婦制が上げられる。帰巣本能とは、生まれた時から帰る場所を認識していて、離れた場所からでも帰ってくることができる生来の能力のことを意味する。箱舟は新天宙を象徴し、ノアは神を象徴する(『原理講論』p304)ことから、ノアが箱舟から放った最初の鳩は “初めのアダム” を象徴する(『原理講論』p307)としている。
 この第一の鳩が象徴する “初めのアダム” であるが、その立場に立たなければならないのはアブラハムであった。なぜなら、アブラハムはエベルから7代目の立場に立っていたからに他ならない。また、この “初めのアダム” は、ノアが象徴する神の所に帰ってきているのであるから、堕落したアダムを言っているのではない。神の復帰摂理に中心人物として立てる “初めのアダム” のことである。その立場に立つアブラハムから「女によるカインとアベルによる復帰摂理」が始まったと見るべきである。

<参照>
 ノアは絶対信仰の祖
 ハトの習性について
 鳩(ハト)のつがい求愛行動と鳩被害について

    (B) アブラハムの象徴献祭の失敗とふしだらな女たち
     (B-a) 異母兄妹としての摂理的意義






<参照>
 メシア誕生のための内的摂理

     (B-b) アブラハムの三種の供え物の失敗とサラ
 主は彼に言われた、「三歳の雌牛と、三歳の雌やぎと、三歳の雄羊と、山ばとと、家ばとのひなとをわたしの所に連れてきなさい」。彼はこれらをみな連れてきて、二つに裂き、裂いたものを互いに向かい合わせて置いた。ただし、鳥は裂かなかった。(創世記15章9節〜10節)







<参照>
 キジバト
 カワラバト
 ヤギ
 牛が最高の母親になる7つの理由
 ザカリヤ、マリアとヨセフ



  A 侍女から妾への転換摂理
    (@) アブラハムを中心としたサラとハガル
     (@-a) アブラハムの妻サラの正妻としての立場












<参照>
 メシア誕生のための内的摂理

     (@-b) 侍女から妾への摂理転換






<参照>
 アブラハム家庭はノア家庭のやり直し

    (A) ヤコブの長子権復帰の意味






<参照>
 『原理講論』にないヤコブ家庭摂理

    (B) 正妻は堕落の系統から復帰される立場
 その時、ラバンはサタンの側に立って言うのです。「神様。神様の家庭を復帰していくのは、正妻ではできないことをあなたは知っています。それでも正妻で復帰するのでしたら、サタンと交代して愛する立場に立ちますか?」と。それは絶対できません。怨讐の立場です。怨讐の立場で、憎む怨讐の立場から手をつけるようになっているのです。分かりますか? それは、一人の旦那さんを中心とした二人の女の愛の怨讐関係以外にはありません。ですから、正妻と妾の関係です。分かりましたか?(「はい」)。
 ラケルが妾ではなくて、本妻になって、ヤコブと一つになっていたらそれでいいのに、堕落の系統から復帰されるには、正妻ではできないのです。分かりますか? 正妻の怨讐の女からです。それは分かりますね?(「はい」)。だから妾です。妾は正妻をさておいて、過去よりもっと高い、二番目の愛でつなぐのです。そこに、復帰の伝統に一致する内容があります。(『文鮮明先生の日本語による御言集 特別編1』p118)

 ですからラバンも、「復帰路程は、正妻ではできないことを知っているのではないですか?」と言うのです。そうであれば、ラケルは本妻になれません。妾にならなければならないのです。それで、レアを許さざるを得なかったのです。分かりますか?  レアは完全にサタンのほうです。自分と僕、三人の女で、十人の子供(男の子)を生みました。ラケルは二人の子供を生んだのです。十二人です。これはレアの作戦で、ヤコブ家庭を完全に自分のとりこにしたのです。ヤコブ自身もそれが分かりませんでした。このように内的に絡み合い、峠を越えて、明らかな道を開拓していくべきことを知らなかったのです。こういうふうにして、ヤコブ家庭は二つになり、これが一つになるのです。正妻は妾と一つにならないといけません。(『文鮮明先生の日本語による御言集 特別編1』p120〜p121)







    (B) タマルの子ペレヅとゼラとユダの問題点






<参照>
 ユダとタマルの内的摂理完成と外的摂理
 創世記(51)ーユダの物語ー
 円筒印章
 王笏

    (C) ラハブの赤い紐とふしだらな女たち
 さてペレヅの子孫は次のとおりである。ペレヅからヘヅロンが生れ、ヘヅロンからラムが生れ、ラムからアミナダブが生れ、アミナダブからナションが生れ、ナションからサルモンが生れ、サルモンからボアズが生れ、ボアズからオベデが生れ、オベデからエッサイが生れ、エッサイからダビデが生れた。(ルツ記4章18節〜22節)







<参照>
 ラハブ
 聖書の探求(191) ヨシュア記6章22〜27節 ラハブとその家族の救い、結語(警告と祝福)
 統一王国時代 (上)
 ザカリヤ、マリアとヨセフ
 きわめて重要な一つの系図


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