復帰摂理歴史の真実 | |||||||
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■ 第三部 第一章 c. 二つの「恨」と文先生の摂理 1. 延世大学校と梨花女子大学は何を象徴しているのか (1) 朝鮮の『春香伝』と日本の『忠臣蔵』 ここで、先のページとなる「怨讐を愛する原点」で説明した朝鮮における “恨” をもう少し掘り下げてみなければならない。「恨」は、古くは巫俗という朝鮮のシャーマニズムに由来する用語として、「死者のやるせない思いや、やり残したこと」という意味で使われ、“恨解” は鎮魂儀礼の一つであった。 旧約聖書における神は、感情豊かで喜怒哀楽に満ち、人間に直接訴える神で、古来から朝鮮半島で信仰されてきた巫俗の神と同様に、人間と距離の近い神であった。19世紀に列強諸国が朝鮮半島に進出する時期に西学(キリスト教)に対抗する形で発生した東学は、唯一神を「静かな神ではなく、人間の声を聞き入れ、忙しく働く神」として捉えた。併合期に成立する李祥昊が立てた甑山教は多神教で、人間と神が相互に影響を与え合っていた。 近世の朝鮮半島では儒教(性理学)的な価値観が国家運営から民衆の倫理道徳までを支配していたと捉えられているが、その深層部には古来からの巫俗の伝統が横たわり、儒教と相互補完関係を形成しながら存在していた。儒教倫理に照らし合わせて考えると、「子供を残さず死んだ者」に祭祀を受けられず怨霊となると考えられている。そのため巫俗は、儒教世界で引き受けられない死者を一手に引き受け、巫俗式の鎮魂祭や死後結婚を行なう。したがって韓国の伝統社会の中でイエスを捉え直せば、イエスは未婚で33歳の若さで死んだ鎮魂の対象者となる。 この様な観点から『原理講論』では、人間始祖の堕落後、喜怒哀楽を感じる「心情の神」は、ひたすら「哀」の感情を持ち続けた(神の恨)。これは、人間堕落により神の創造理想が果たされず、神と人間の断絶が生じたことが原因となったとしている。また、「実子」であった人間が堕落により、実の父母としての神が分からなくなってしまった(人間の恨)。そこで神は、御自身と堕落人間の「恨」を解くために、人類が堕落した直後から創造理想を取り戻すために「救援摂理」を展開してきたのである。 ![]() これに対して、文先生が「日本之情 忠孝之源」(右図)と揮毫されたのは、日本の『忠臣蔵』の要点を正確に捉えていると言える。文先生の「正妻と妾の摂理」にある “正妻と妾の分岐点” となるのは、「怨」と対立した「恨」にあるのではなく、「恨」の “往古” となる神と人間の関係性にある。 <参照> ・「恨」と統一教 (帝塚山学院大学教授 古田富建 : PDF / 本サイト) ・ 韓国の死霊信仰と鎮魂(「恨プリ」)文化 (帝塚山学院大学教授 古田富建 : PDF / 本サイト) (2) 文先生と長老派教会 @ 文先生と長老派教会 (@)長老派の少数派集団 文先生は、1920年朝鮮半島の北部に位置する平安北道定州に生まれた。15歳の時に姉と兄が重い病にかかったのを契機に家族全員が長老派のクリスチャンとなる。また16歳の時、祈祷の最中にイエスと霊通し、再臨主の使命を引き継いでくれるよう説得され、人類救済の召命を受ける。そして22歳の時には、早稲田大学付属高等工業学校電気工学科に入学するため日本に留学し、「神の実存」や「神と人間の関係」などの “原理” を究明した。また「反日運動」を展開して拷問されたこともあったという。卒業後、鹿島組に就職するが、植民地解放後に帰国し「啓示」を重んじるキリスト教系少数派集団である聖主教に属すようになる。 (A)解けない恨と解ける恨 ![]() ![]() ![]() <参照> ・「韓国的キリスト教」と恨 (帝塚山学院大学教授 古田富建 : PDF / 本サイト) ・ 三〇年代の教会状況と李龍道運動 ・ 明水台教会(イエス教会所属)・李龍道牧師 ・(2)文鮮明先生の摂理路程 ・ B李龍道牧師の「新イエス教」と許孝彬女史の「腹中教」 A 長老教会と延世大学校 朝鮮のキリスト教会における二大教派は長老教(プレズビテリアン)と監理教(メソジスト)であった。早々と自由主義神学を取り入れた監理教に対し、長老教に保守的な傾向があったと言われる。初期の長老教会の宣教師たちは、保守的な聖書無謬と聖書無誤を信じていた。 ![]() ![]() <参照> ・ 長老派教会 ・ 大韓イエス教長老会 ・ 韓国イエス教長老会 ・ 延世大学校 B 監理教と梨花女子大学校 (@)監理教のメソジスト精神 ![]() この “キリスト者の完全” とは、人は信仰により義とされ、神の恵みによって救われる。更に信仰により、聖霊の働きにより聖化されるとする。これは、イエス・キリストを愛するとき、人間は無意識の罪から免れないが、絶対に意識的に罪を犯さなくなる(信仰による聖化の恵み)ことによって、聖霊による自己改革(新しくされること)を、終末においてでなく今この地上で神の恵みとして与えられるということである。 <参照> ・ ジョン・ウェスレーの信仰思想(20) (青山学院大学 国際政治経済学部教授 深町正信 : PDF / 本サイト) ・ 新訳 キリスト者の完全 Kindle版 ・ メソジストの精神と現代社会 (日本ウェスレー・メソジスト学会 清水光雄 : PDF / 本サイト) (A)女性蔑視から梨花女子大学校の必要性へ アメリカ北部メソジスト監督教会海外女性伝道協会(WFMS)は、同教派教会の女性たちが1864年にインドに女性宣教師を派遣したことをきっかけに、1869年にボストンで結成された。WFMSは、立て続けに1871年に中国、1874年に日本、1885年に朝鮮に女性宣教師を送った。それぞれの派遣先ではWFMSの協議会が開かれ、その下には宣教区が置かれた。そして、宣教区はいくつかの巡回所に分かれた。 WFMSは1938年、世界の12ヵ国に31の協議会を開いた。同年の朝鮮協議会(KWCM)には、宣教区が13ヵ所、所属の宣教師が40人で、そのうち、未婚の女性宣教師は30人(中国85人、日本27人、世界全体370人)だった。 ![]() この為、朝鮮に渡ったWFMSの女性宣教師たちは、クリスチャン家庭を築く女性、教育された母の養成に、女子教育の目標を置いた。こうした観点から、「イエス・キリスト」の福音が朝鮮の女の子ら(梨花学堂の生徒たち)に宣べ伝えられ、彼女たちに栄光に満ちる新しい人性が与えられたのである。女性宣教師は、朝鮮女性にキリスト教主義の教育を与え、家庭の中で新しい地位や生活を享有するするように導いていくことを自己の使命とした。 このような女性宣教師の女子教育観は、女性の領域は家庭であり、家庭のあり方は社会・国家のあり方を決定するので、良き妻・母になるために女子教育が必要であり、教育された母・母性の力が家庭を越え、社会に及べば、社会・国家はより浄化され改善されるという考え方(当時のいわゆるヴィクトリアン的ジェンダー観念)による。こうした女性宣教師の女子教育観は、初等教育が中心であった朝鮮では決して抽象的な観念ではなく、「母が聖書を読む能力を持ち、自分の子どもを教える家庭」であった。しかし、こうした女子教育は、朝鮮人にすんなりとは受け入れられず、女性宣教師による朝鮮での女子教育は困難を要したのである。 ![]() 梨花学堂は、1925年に梨花女子専門学校に改称すると、1943年には「梨花」の名前を除かれて京城女子専門学校に改称された。1946年8月15日に米軍政当局から梨花女子大学校として認可を受け現在に至っている。 <参照> ・ 朝鮮に渡ったアメリカ・プロテスタント女性宣教師 (筑波大学准教授 朴宣美 : PDF / 本サイト) C キリストの存在と神による理想世界造成 (@)イエスの来臨とキリスト教 人間始祖の堕落によって、人間から失われたものは次の二つである。一つは、神と人間との関係。そして、もう一つは、神の御言葉である。その二つを取り戻すために、神との関係を取り戻した人間を “キリスト” として、キリストを主体とする対象を “相対” として “夫婦” となり「神の似姿」となる。そして、神が人間を創造したように、夫婦が子女を産み増やして父母となり、神が人間を愛によって完成させる如くに父母が子女を愛によって完成させれば、子女の完成によって父母が完成し、父母の完成によって神の創造が完成し完了となるのである。この一つひとつが、「神の愛の法則」としての「宇宙の原理」によって成り立つので、これを “神の御言葉” としている。 ところで、この最終的摂理として、人間堕落によって生じた “恨” を消し去っておかなければならない。つまり、堕落によって生じた二つの “恨” を解決するための原理原則として、神の宇宙創造の原理としてある “陽子と電子の関係” によって文先生は解かれたのである。 ![]() <参照> ・ 文師の電気工学専攻と原理の解明 (A)キリストの再臨の目的と神の御言葉による理想世界建設 さて、これまで見てきたように、朝鮮の伝統的な巫俗の流れを汲むのはキリスト教会の中でも長老教であるが、朝鮮王朝(1392年8月〜1897年10月)時代からの支援で始まったのが広恵院であり現在の延世大学校に至っている。 ![]() ![]() 1957年に『原理解説』が創刊されると、文先生は韓鶴子と聖婚(1960年4月11日)され、1964年7月15日には宗教法人として日本統一教会が設立され、初代会長となる久保木修己夫妻は、1968年2月22日にソウル市民会館で日本から初めて430双の祝福に参加しました。文先生によると、430という数字は、世界的なカナン福地に向かった第3イスラエルの世界的出発を意味し、ここから日本が摂理的エバ(妾)の国として「正妻と妾の摂理」における韓国、日本、そして米国を天使長国家とする世界的復帰摂理の出発となっていくことになるのです。 <参照> ・ 世界基督教統一神霊協会の年表 ・ 4. 最初の妻 崔先吉女史 が告白! 「文鮮明教祖の性の祕密」 ・ 海外の宗教事情に関する調査報告書 (文化庁 : PDF / 本サイト) (B)日韓米が一体となるべき摂理的意味
![]() しかし、神霊教団の摂理は失敗し、金明熙を妾とした摂理は失敗に終わったことで、李承晩も1960年には失脚となった。その後は、1960年に米国と同盟を結んだ日本(日米安全保障条約の締結)へその使命が移行されたのである。 40年延長というのは、1948年8月の李承晩大統領による韓国政府の樹立以来、1987年6月の民主抗争の勝利による「民主化宣言」までの期間を言っている。それまでの韓国は、民主主義の要ともいえる基本的人権の保障、自由で平等な選挙とその公正、思想・信条・表現の自由、結社の自由、これらはかなり制限され、非民主主義的な権威主義体制が長期間続いたのである。民主化宣言後の1988年にはソウルオリンピックが開催されたことによって、韓国は摂理的な正妻国家として立つことができ、これによって日本が摂理的な妾国家として立つ摂理が展開されることとなった。そこで1989年、アラスカにおいて「八定式」の宣布となったのである。丁度この年は、アラスカが1959年にアメリカ連邦の49番目の州として正式に加入した年から40年を経た年ともなる。 <参照> ・ 韓国の民主化運動とキリスト教(1)(横浜市立大学学術研究会 倉持和雄 : PDF / 本サイト) ・ 韓国キリスト教の歴史 ・ 天使長国家が米国である意味 ・ アラスカの歴史 ・ 文先生誕生のルーツと日本の摂理
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