復帰摂理歴史の真実 |
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■ 第一章 イスラエル選民の成立
第三節 ユダとタマルの内的摂理完成と外的摂理 1. ユダとタマル (1) 舅と嫁 @ ユダヤの慣習に反した神の摂理
a) 神の前に必死なるタマル ![]() ところで、神の前に “劣 (−)” の母から産まれる子が “劣 (−)” なのかと言えば、胎教の問題です。母の胎でどのような胎教 (による胎中生活) を得て産まれてきたのかを踏まえて “劣 (−)” としました。レアの子にも胎教に大きな変化があって産まれたのがユダだった (前ページ) のです。 さて、タマルは長子エルの妻でしたが、エルは主の前に悪い者であったので、主は彼を殺しました (創世記38章7節)。そのため、タマルは当時の掟により、次子オナンのところに入り、オナンとの子を兄エルの子としてその血統を守ろうとしたのです。しかし、オナンはそれを拒否したため、主は彼を殺されたのです (創世記38章8節〜10節)。そこで、末子のシラでしたが、シラは父であるユダが拒んだため、タマルは掟を超えてユダと関係して血統を守ろうと最後の手段に出たのです。 当時の掟では、淫行の女は石で打ち殺すとされ、女がたとえ身籠っていたとしても胎児ごと殺されてしまうため、タマルは自らの身を守るために、誰と関係して子を宿したのかという証拠としてユダからその “しるし” としての 「印」 と 「紐」 と 「杖」 を得た後で関係を結んだのです。そこには、タマルの周到な計画があったことがうかがえます (創世記38章14節〜19節)。 b) 血統転換とは
![]() ところが、兄ゼラは弟として産まれてくるはずのペレヅによって胎内に引き戻され、替わって弟のペレヅが先に産まれ出てきたのです。 ![]() 以上の事によって、メシアの誕生とメシアによる血統転換における重要な復帰の原理が、“再創造原理” として完成されたのです。 <参照> ・ 共産主義の出現 A 側女から妾へ a) “妾”の由来 ![]() 「辛」 は捕虜を取り押さえておく刑具でした。「女」 の上に 「辛」 を加えて、略奪してきた捕虜の女であることを示しています。 <参照> ・ 女の漢字シリーズ:妾 b) タマルによって妾としてのマリアへ ![]() そこで、妾の立場としてのマリアからイエスが誕生することになりますが、イエスの父はザカリアであって、母マリアはザカリアの妻エリサベツと親戚でした。これは、ヤコブの妻であるレアとラケルの関係と、ユダとタマルの関係とを重ね合わせた立場です。ここでの 「妾の立場」 とは、上記 (赤下線) の “略奪してきた捕虜の女” のことで、“サタン側から奪ってきた神側の捕虜としての女” という意味になります。つまり、マリアは神の御心に絶対服従すべき立場にあったのです。 なお、この内容は 「イエス誕生」 のところで詳しく説明いたします。 2. メソポタミア文明とエジプト文明 (1) メソポタミア文明 ![]() 紀元前22世紀から紀元前21世紀にかけて、再びシュメール人が国を建国します。ウル第三王朝(紀元前2113年頃〜紀元前2006年頃)と呼ばれるこの王朝となりました。 この頃、バベルの塔のモデルになったといわれているジッグラトもいくつか建てられています。ジッグラトは神を崇拝するための聖塔。煉瓦製で縦横は数十メートル規模で、高さは15メートルから25メートルほど。後にシュメール人はエラム人に滅ぼされ、紀元前19世紀ごろ、セム系の遊牧民だったアムル人がメソポタミアに侵入し、バビロンを都にしてバビロニア王国を建国したのです。 (2) エジプトの摂理とヨセフ @ エジプトの宰相となったヨセフ a) 「ペリシテびとの国の道」 とエジプト ![]() ![]() ヨセフの頃は、この中王国の第11王朝メンチェヘテプ1世もしくは2世と考えられています。この時代に取り入れられた宰相制度で宰相に就任したのがヨセフだったのです。 <参照> ・ 古代エジプト ・ 神が選ぶ道 ・ エジプトの宰相ヨセフ b) ヨセフの使命とエジプト苦役400年 ![]() しかし、ラケルがそうであったように、ヨセフに従ったイスラエルはエジプトに入ってくる異教文化に影響を受け、選民意識が薄れていきました。やがて、ヨセフのことを知らない新しい王がエジプトに立つと (出エジプト記1章8節)、イスラエル人に対する迫害が始まり、出エジプトを余儀なくされたのです。 系図 (アダムからイエスまでの系図) をからも明らかですが、ヨセフ (ラケルの第1子) の次子エフライムの家系にヨシュア。次に、ヨセフの弟ベニヤミンの家系にサウル王。結局、ユダの家系となって、ダビデ王からソロモン王と引き継がれていきます。つまり、ヨセフの後継者たちは主権復帰を担う立場から完全に外れてしまうのです。そのため、イスラエル選民にとってユダヤ教が必要となり、その信仰を伝統として守り継ぐために 「幕屋」 と 「神殿」 が不可欠となったのです。 A ヨセフが見た二つの夢 ヨセフは、夢解きによって、宰相の地位に上り詰めました。その始まりは、ヨセフ自身が見た二つの夢にありました。それは父ヤコブに寵愛されたヨセフに対する、兄たちの嫉みとなり、憎しみとなりました。 そもそもヨセフを中心とした摂理は、創世記36章31節に「イスラエルの人々を治める王がまだなかった時」とあることから、イスラエルの人々を治める王とその王国を建国する摂理となります。 a) 第一の夢
第一の夢は、畑で結わえた自分の束に、兄弟が結わえた束が拝んだ夢 (創世記37章6節〜8節)。それに対して兄弟たちは、「あなた (ヨセフ) が王になり、わたしたちを治めるのか」 と言ってヨセフを憎みました。この夢は、エジプトでのヨセフを中心とした摂理を意味しています。また、「束」 とは支族のことを意味します。 b) 第二の夢
![]() 日 → 父を象徴 → ヤコブ 月 → 母を象徴 →(あなたの母) ラケル 十一の星 → 子 (兄弟姉妹) を象徴 → ヨセフの10人の兄と弟ベニヤミン これは、ヨセフの夢に対して父ヤコブが解いたのですが、「月」 は 「あなた (ヨセフ) の母」 であるラケルの事としています。しかし、ラケルは既に亡くなって (創世記35章19節) いるため、これはヤコブやヨセフの兄弟たちを個々に指すのではなく、国王を中心として建国されたイスラエル国としての 「秩序 ( 「ローマ人への手紙」 13章1節)」 を 「日 (父)」 と 「月 (母)」 と 「星 (子)」 で譬えた夢となります。 ところで、ヤコブの妻レアは、ヨセフによってヤコブがエジプトへ移住する前に、カナンの地で死に、アブラハムとサラ、イサクとリベカが葬られたマクペラの墓に、夫ヤコブの手によって葬られました。 <参照> ・ ヤコブの妻レアの人生(7)死、埋葬、そしてメシアの誕生 3. 夜・昼の神と日本 (1) 夜の神様と、昼の神様 @ 原理的観点から
![]() アダムとエバの堕落によって、唯一なる神様が “夜の神様” と “昼の神様” に分かれました。堕落前のアダムの体には “夜の神様” が 「魂」 として宿っていましたが、堕落によってアダムの体からその 「魂」 が追い出されると、 “昼の神様” は再び本然のアダムを産むことのできる 「母」 となるべき女性を再創造する復帰節理に取りかかり、イエス様と再臨主が誕生することができたのです。そのようにして誕生したイエス様と再臨主には、再び “夜の神様” の 「魂」 が宿ったと語られています。 この “夜の神様” の 「魂」 に相当するのが “命の息” (創世記2章7節) であり、そのアダムが心身統一されて個性完成されれば、アダムを新郎として迎える新婦となるべきエバの為に準備されたのが “聖霊” (参照 「文師の電気工学専攻と原理の解明」) だったと考えられます。 上記の原理講論の内容には、“被造世界が創造される前” に居られた神は性相的な男性格主体としての 「夜の神様」 であり、“被造世界を創造” の為に居られた神は形状的な女性格対象としての 「昼の神様」 が記され、その本質は “性相的な男性格主体” である 「夜の神様」 なので、「神を “父” と呼んで、その格位を表示する」 としています。つまり、“天の父母” ではなく、“天の父” なる神様が正しい神様に対する呼称であると言えます。 A 日本神話との関係 ![]() ところで、世界の神話には太陽神を男神とするものと女神とするものがありますが、女神とするものはごく稀で、神話の多くは男神とされています。 <参照> ・ 太陽神 ・ 連載『陰陽五行』講座 B エジプト伝来の紅花が物語る ![]() ![]() 赤は太陽の色を表わすといわれ力の象徴として、衣裳に用いられました。この赤色染料としては、紅花・蘇芳 ・ 茜などがありますが、特に紅花は、紅のもつ医学的な効果からも多く求められ、魔よけ、厄よけとして効用があったともいわれていました。 <参照> ・ 紅花の原産 ・ 「紅花の名所」〜江戸時代は『紅一匁(もんめ)金一匁』と高価だった
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