ここである事が起きます。それが“与えるものが存在している”と感じる事から、与える願望の喜びも感じ、その喜びも欲しくなります。なぜなら、それが受取る意思であるためです。よって、
この願望の中に新しい識別が現れます。その中に、その欠如を感じたことから(最初は完全に満たされた状態にいて、それから光の特質の中に感じたものがその中に欠如していると感じた、と言う理由から)、それを獲得しようと試み、容器は自分が受け取りたくないことに気づきます。それは、与える喜びを欲しがり、この経験を可能にするように動こうとしますが、それ自体が、受取だけのために作られた理由から、受け取らないと言うことしかできないのです。つまり、それは光を拒絶するのです。このフェーズをベヒナ・ベット(Behina Bet)と呼びます。ベットとは、ヘブライ語アルファベットの2番目の文字です。
それが識別することは“
与えることが、受取ることよりもよい”と言う事です。それは
与えたいと言う願望です。この時、ここでとても興味深い事が起きています。
これら2つのフェーズが、1から2へと全く反対のものに変化した事です。
フェーズ1は、受け取りたいと言う願望で、
フェーズ2は、与えたいと言う願望です。
フェーズ2のセフィラはビナ(Bina)と呼ばれ、その語源の Hitobonenut は“
観察”を意味します。それが
実際に観察して識別することは、クリエイターの特質が与えることであると言うことです。よって、これ(セフィラ・ビナ、ベヒナ・ベット、フェーズ2)は
与えること(授与)の特質です。
この空っぽな状態にある容器に、もう1つの識別が現われます。ここで注意して欲しいのは、これらのベヒノット(ベヒナの複数形:識別)の各説明が光の行為についてではないと言う事です。光の行為は常に同じで、常に“被造物を創造し、被造物を満たす”と言う根本的法則だけに従ってます。光がすることはこれだけです。説明していることは、クリ(願望、被造物)の内側における識別の変化についてです。よって、ここのベヒナ・ベットの内側(光の欠如の内側)で
新たな識別が現れます。それは、
その性質が受取ることであることと、“
知恵の光”
なしには存在きなと言うことです。
この光に対する拒絶、この光の返しを“
慈悲の光”(ヘブライ語でオア・ハサディム-Ohr Hassadim)と呼びます。それは、
このようには存在できない、受け取らなくてはいけないと知りつつも、受取ることはしなたくないのです。よって、
それは受取を授与の形にする方法を発見しなくてはならず、次の識別が現れます。これは、
ベヒナ・ギメル(Behina Gimel)、ギメルはヘブライ語のアルファベットの3番目の文字です。
この識別は二重のフェーズを発生させます。つまり、
このフェーズは1と2の、反対のフェーズを合併したものです。その中には、オア・ホフマとオア・ハサディムが含まれています。よって、これら2つの逆の願望は、この混合されたフェーズに含まれているのです。
何故でしょう?
何が起きているのでしょう?
この受取のモード(ベヒナ・ギメル)は、
受取を与える形に変える方法を見つけたのです。
創造の中に存在するものは、被造物とクリエイターだけ、つまり光と容器だけです。よって、被造物が単にその内側で与える行為をしていると感じたとしても、実際は被造物の視点から見て、あげる相手はクリエイターしかいません。そして、ベヒナ・ギメルはクリエイターの行為を模倣することを決断します。つまりそれは、クリエイターが自分を喜びで満たしたいことと、自分がこの喜びを受け取らなければならないことと、“創造の思考”の一部が、被造物を創造し被造物に与える事であると理解します。
被造物が実際に創造出来るものは、それ自身の内側にあるものだけです。よって、それは光の一部、たとえば光の20%を“創造の思考”(被造物を創造し、喜びでそれを満たすと言うクリエイターの願望)を実現するために受取ることを決断します。よって、それは受取がこの思考(クリエイターの思考)を実現させると言う意図を持って受取るのです。そしてこれが、その中で受取が与える形になれる唯一のモードなのです。しかし、
与えることは(喜びでそれを満たそうとする)意図であり、行為が何であるかは問題になりません。よってこれは、実にフェーズ0(ケタ−)の形とある程度類似しているのです。
このオア・ハサディム“
戻る光”の80%は依然として喜びであり、その中に入り込んでいる光です。しかし、彼女はここでそれに何の興味も示しません。この混同したフェーズのセフィロートをゼア・アンピン(Zeir Anpin)と呼びます。“
小さな顔”と言う意味です。それは
6つのセフィロートから構成されています。
ヘセド(Hesed)
ゲヴラ(Gevura)
ティフェレット(Tifferet)
ネザッフ(Netzach)
ホッド(Hod)
イェソッド(Yesod)
それは混合したフェーズであり、
授与するために受取ることを可能にします。