明かされたカバラ
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■ 5. 直射光における4つのフェーズ
     a. 与える存在に対する識別


3.“直射光”における4つのフェーズ(位相)

 バール・ハスラムの『10個のセフィロートの研究の手引き』の引用から始めましょう。彼はこう言います。
 「よって、私達は以下のことを問わなくてはならない:ならばなぜカバリストは各自にカバラの知恵の学習の義務を負わせるのだろう? その中には確かに偉大な事柄が有り、それは公表する価値がある。カバラの知恵に従事する人には素晴らしくて、計り知れないほど貴重な救済がある。彼らは、学習している内容が理解できないとしても学習内容に対するあこがれと、理解したいと言う大きな願望を通して、魂を包む光を自分たちに呼び覚ますのである・・・。
 人がまだ、完璧を獲得していない間は、彼に届く運命にあるこれらの光は “包む光” とみなされる。その意味は、これらの光が待機しながら、人が受け取りの容器を浄化するのを待っていると言うことである。そうなったときに、これらの光はその能力を持った容器を覆うだろう。ゆえに、たとえ人がその容器を持っていないとしても、人がこの知恵に従事して、光の名称と人の魂に関係する容器について言及するとき、ただちに私達は、光によって一定量照らされる。しかし、彼にはそれらの光を受け取る能力がある容器が欠如しているため、光は彼の魂の内部を覆うことなく彼を照らすのである。それに関わらず、人が従事の間に何度も受け取る照射は、その人に恩恵を上層から引き寄せ、豊富な神聖と清浄を授けるのである。そしてそれは、その人の完璧への到達を大いに近づけるのである。」



 このレッスンでは、被造物の創造における4つのフェーズを見て行きます。これは、創造の中に存在する万物のマクロなテンプレート、創造の生じ方、被造物がどの様に創造されて、その創造されたものから発生したすべてのものが、創造の全側面において、どう生じたのかについてです。
 カバリストが私達に伝える事は、まず最初に、トーラーには秘密があることを知る必要があると言うことです。しかし、これらの秘密については言及しません。それらは、私達の伝達能力を超えているからです。カバラの書物には、トーラーの味だけについて書かれており、トーラーの秘密には触れません。これらの秘密は、彼の本質またはアズムト(Atzumuto)と呼ばれます。これについて言及することは禁じられています。“禁じられている”と言う意味は“不可能”と言うことです。私達にはこれについての言語はなく、そのための容器(ケリム:クリの複数形)がありません。これは到達によってのみ知ることができます。



 私達はここから、クリエイターから始めます。クリエイターの最初の思考のレベルに到達したカバリストは、すべては意図と共に始まったと伝えます。この意図とは、被造物を創造し、被造物に喜びをもたらすと言うことです。これを、ベヒナ・ショレシュ(Behina Shoresh)と呼びます。これは現実のすべての根源です。
 この被造物を創造して、被造物に喜びを与えると言う意思が創造における最初の推力であることから、その直後にこの喜びを受け取る意思が発生しました。よってこの意思がと呼ばれれるものであり、これが受け取る意思です。これは私達の容器です。これが最初の被造物です。このフェーズでは、創造の光の全部が、その全部の光を受容出来る容器を満たします。しかし光は、この容器をほとんど無視しています。容器と光はとても強く併合しており、実際にはその2つは同時に発生し、完全に依存関係にあります。その与える力、与える願望は受取を押し込み、この反対の願望−受け取る容器を創造するのです。これらは合体しており、同じ概念の中の本質的な部分ですが、反対です。これが2つ目の識別で、ベヒナ・アレフ(Behina Aleph)と呼ばれます。アレフとは、ヘブライ語のアルファベットの最初の文字であり、1の価があります。これが1番目の識別です。
 光がこの最初のクリ(受取る意思)に入ると、受取る意思は喜びを感じます。しかし光は、光自体の性質についても、クリに伝え、これを感じてある事が起こります。この光が一番下まで降下し、受取る意思の全部を満たすと、容器は光の性質そのものについて何かを感じます。そしてこれは、単に受取る意思だけであることから、それはそのプログラミングに従って働き、与えるものが存在していることに気づきます。よって最初の識別は与えるものが存在していると言うことです。つまり、これがクリエイターではない最初のものだと言うことです。それは、与えるモードと受取るモードがあり、何かに関係して存在していることを感じます。この1番目と2番目の部分をセフィロート(Sefirot)の表現でみてみましょう。最初の識別はケタ−(Keter)と呼ばれ、それは王冠を意味します。よって、最初の被造物によって感じられたこの光は、クリエイターの特質に対する喜びの反応です。その中に入り、それが感じた光を「知恵の光」(ヘブライ語でオア・ホフマ−Ohr Hochma)と呼びます。よって、知恵と言う文字がカバラの書物に使われている時は、このフェーズの特質について述べているのです。



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